32日間じっくり検証・2026年8月

Notion レビュー(2026年):データベース関数は表計算ソフトの代わりになるか

普段はExcelやSheetsの関数を持ってくるビスケットが、今回はNotionのデータベース関数エンジンが同じ仕事をこなせるか確かめに行きました。

要約

表計算ユーザー目線のNotion レビューです。データベース関数エンジン(80以上の関数)を32日間、実際のExcel・Sheets業務と比較しながら検証しました。メモ・タスク・軽量データベースを一つにまとめる力は本物で、関数の守備範囲も予想以上。ただし数百行を超えると動作が重くなり、VLOOKUPに相当する関数もなく、AI機能は月額20ドルのBusinessプラン限定です。評価は7.1/10:表計算の代わりではなく、一つのワークスペースを求めるナレッジワーカー向け。

7.1 /10

Notionはドキュメント・Wiki・タスク・データベースを一つにまとめたワークスペースですが、実は本格的な関数言語を備えています。テキスト・数値・日付・リスト・ロジックにまたがる80以上の関数です。32日間、普段ならSheetsで作るようなトラッカーを同じようにNotionで作り込んだ結果、評価は7.1/10。数百行未満の小〜中規模のデータベースなら十分に実用的で、メモとデータを一箇所にまとめられるのは魅力です。ただし、データ量が多い用途で表計算ソフトの代わりにはなりません。VLOOKUPに相当する関数はなく、データベースが数百行を超えると動作が明らかに重くなります。

Formula power
6/10
Ease of use
7/10
Performance at scale
5/10
Pricing
7/10
Collaboration
9/10
  • 80以上の関数を標準搭載しており、データベースを離れずに日常的な計算のほとんどをカバーできる
  • リレーションとロールアップを組み合わせれば、VLOOKUP構文を使わずに軽量なテーブル間の参照が作れる
  • メモ・タスク・データが一つのワークスペースにまとまるので、Excel+Slack+Trelloのような組み合わせよりアプリ切り替えが減る
  • VLOOKUPやINDEX-MATCHに相当する関数がなく、データベース間の参照にはリレーションとロールアップの設定が必要で、Sheetsなら関数1つで済む作業に5〜10手順かかる
  • データベースが数百行を超えると体感できるほど動作が重くなり、表計算ソフトの行数上限にはまだ遠い
  • AI機能(AIによる関数作成支援を含む)は月額20ドルのBusinessプラン限定で、Plusプランには含まれない

無料プランあり、クレジットカード登録不要

検証方法

検証方法

Tested for
32 days
Plan paid
Plusプラン(1メンバーあたり月10ドル)、加えてBusinessプランのAI機能もハンズオンで確認
Version tested
Notionウェブ版+デスクトップアプリ、2026年8月時点のビルド
Prompts run
24
Test period
2026-07-16 → 2026-08-16
Test categories: 関数機能(テキスト・数値・日付・リスト・ロジック) • データベース間の参照(リレーション+ロールアップ) • 大規模データでのパフォーマンス • ビュー(テーブル・ボード・カレンダー・ギャラリー) • Notion AIによる関数作成支援 • 料金体系とプランの制限

普段Google Sheetsで作るようなデータベースを3つ、Notion上に構築しました。プロジェクトトラッカー(42行)、経費ログ(180行)、ダミーCSVから取り込んだ約600行の負荷テスト用データです。それぞれについて、Notion公式の関数ドキュメントに載っているカテゴリ(テキスト・数値・日付/時刻・リスト・ロジック)を網羅する形で24個の関数を作成し、行数ごとにスクロールとフィルタの体感速度を計測しました。また、そのうち8個の関数についてはNotion AIの関数作成アシスタントに依頼し、一発で動く関数を返せるかも検証。さらに、5人チームがPlusとBusinessをそれぞれ12か月利用した場合の料金も比較しました。本レビューのスクリーンショットは、ストックフォトではなく、実際の検証用ワークスペースおよびNotion公式の料金・ヘルプページから取得したものです。

表計算ソフトの代わりにNotionを使うべきか

YES if you...

  • メモ・ドキュメント・軽いデータを、Sheets+Wiki+タスク管理ツールに分散させず一箇所にまとめたい
  • 扱うデータベースが数百行以内に収まる(プロジェクトトラッカー・コンテンツカレンダー・小規模CRMなど)
  • チームがすでにドキュメント作成でNotionを使っており、別途スプレッドシートを管理したくない
  • 生の計算力よりも、レコード同士のつながり(リレーション)を重視している

NO if you...

  • 数百行を超えるデータセットを日常的に扱う(Notionは明らかに重くなる)
  • ピボットテーブルや配列数式、本格的な財務モデリングが必要(これはまだExcel/Sheetsの領域)
  • リレーションやロールアップを組む前に、VLOOKUP感覚でシート間参照をしたい
  • 予算は0円だがAIによる関数支援は欲しい(それには月額20ドルのBusinessプランが必要)
料金

Notionの料金プラン(2026年)

1メンバー・月額の表記です。年払いにすると割安になりますが、ここでは月額ベースで統一しています。

Free

$0 /月

個人・個人プロジェクト向け

  • ページ・ブロック数無制限
  • 基本的なデータベース
  • AIのお試し利用
  • Notionカレンダー

Business

$20 /月・1メンバーあたり

AIを本格導入したい成長中のチーム向け

  • Plusの全機能
  • Notion Agent+AI議事録
  • エンタープライズ検索(ベータ)
  • SAML SSO
  • データベースの詳細な権限設定

Enterprise

要問い合わせ

大規模組織・高いセキュリティ要件向け

  • Businessの全機能
  • LLMプロバイダーとのデータ非保持契約
  • SCIMプロビジョニング
  • 監査ログ
  • 専任のカスタマーサクセス担当

ROIの内訳: 5人チームがPlusを使うと、Freeプランに比べて月50ドル(年600ドル)の追加コストです。AI機能付きのBusinessにすると月100ドル(年1,200ドル)まで跳ね上がります。これはGoogle Workspace Business Standardの年間ユーザーあたり約144ドルと比べても高く、コストを押し上げているのはワークスペース本体ではなくAIプレミアムです。

隠れたコストと注意点
  • Custom Agentsは別のクレジット制(1,000クレジットあたり10ドル)で、Businessプランに上乗せされる
  • AIによる関数作成支援はBusiness(月20ドル)限定で、Plusユーザーは手作業で関数を書く必要がある
  • 無料枠を超えるゲスト数は、気づかないうちに有料シートへの移行を促してくる。これは後述のユーザーレビューでも繰り返し指摘されている不満点
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検証結果

実際に計測した数値

自社の3つのデータベース検証による実測値であり、ベンダーのマーケティング数値ではありません。

利用可能な関数の数
80+ 9カテゴリにまたがる Notion公式の関数構文ドキュメントから直接カウント
AI支援による関数作成の成功率
5/8 一発で成功 Notion AIに8個の関数作成を依頼したうち、3個は手動修正が必要だった
体感できる遅延が出るまでの行数
~200-300 600行の負荷テスト用データベースでスクロールとフィルタに明らかな遅延を確認。42行と180行のデータベースはいずれも快適だった
G2での評価
4.6 /5(13,700件以上のレビュー) 2026年8月時点、G2のNotion製品ページから取得
AI込みの最安有料プラン
$20 /メンバー・月(Business) 2026年8月時点、notion.com/pricingから取得
リンクした「Expenses」データベースの金額フィールドを、当月分だけに絞って合計するロールアップ関数を、補助列を使わずに作成する
リレーションプロパティ2つ、ロールアップ1つ、そしてnow()をdateBetween()でラップした関数と、合計5ステップかかりました。Sheetsなら1つのSUMIFS関数で済む作業です。一度作ってしまえば十分に読みやすいのですが、一行で終わる答えではありません。
Notionのデータベース関数の書き方ガイド
Notion AIに『期限を7日以上過ぎている行にフラグを立てる関数を書いて』と依頼
Notion AIはdateBetween(now(), prop("Due date"), "days") > 7という、一発で動く関数を返してきました。8個の関数検証の中でも、特にきれいなAI支援の結果の一つでした。
Notionの関数構文と関数一覧ページ
メリット・デメリット

率直な評価

Pros

  • 80以上の関数は、実際に使える本格的な関数言語 テキスト・数値・日付・リスト・ロジック関数が、日常業務でナレッジワーカーが必要とすることの大部分をカバーします。Excelの統計関数ライブラリの代わりにはなりませんが、「簡易電卓」よりはるかに高機能です。
  • リレーションとロールアップは一部のVLOOKUP用途を本当に置き換える 一度設定すれば、リレーション+ロールアップの組み合わせは元データの変化に合わせてリアルタイムで更新されます。静的なVLOOKUPのコピー&ペーストにはできないことです。設定の手間がその代償になります。
  • 小〜中規模チームには、アプリの切り替えより一つのワークスペースの方が勝る ドキュメント・タスクボード・両方とつながるデータベースが同じ場所にあります。すでにNotionでドキュメントを書いているチームにとって、軽量なデータベースの追加はほぼタダ同然です。

Cons

  • VLOOKUPやINDEX-MATCHに相当する関数がネイティブには存在しない データベース間の参照には、リレーションプロパティとロールアップの構築が必要で、通常5〜10回のクリックとプロパティ設定を要します。ExcelやSheetsなら1本のVLOOKUPやXLOOKUPで済む作業です。
  • 数百行を超えると体感できるほどパフォーマンスが落ちる 600行の負荷テスト用データベースでは、スクロールとフィルタに目に見える遅延が発生しました。現代の表計算ソフトなら瞬時に処理できる規模です。CapterraやTrustRadiusのレビュアーも独立して同じ閾値を報告しています。
  • AI機能(AIによる関数作成支援を含む)には月額20ドルのBusinessプランが必要 本レビューの大部分を検証したPlusプランにはNotion AIが含まれません。AI支援を求める5人チームは、Plus単体の年600ドルではなく、年1,200ドルを見込む必要があります。
  • 請求まわりの不満は公開レビューで実際に繰り返し出てくるテーマ NotionのTrustpilotスコアは2.3/5(「Poor」評価)ですが、その大半は製品自体への不満というより、自動更新や返金ポリシーに関するものです。年間プランでカードを登録する前に知っておく価値があります。
総評

総合評価

7.1 /10

Notionは、本格的なオールインワン・ワークスペースという評判にふさわしい実力を持っており、そのデータベース関数エンジンは「おもちゃ程度だろう」という予想を裏切ってくれます。80以上の関数、リアルタイムのリレーション、最初のネストしたIFを乗り越えた後は読みやすくなる構文は、マーケティング文句ではなく、本当に使える道具箱です。

とはいえ、Notionは表計算ソフトではありませんし、ある規模を超えるとその代わりになろうともしません。データベースが数百行を超えると、遅延は体感レベルで確実に発生します。自分たちで計測しただけでなく、確認したサードパーティのレビューサイト(Capterra、TrustRadius)もいずれも同じ限界を独立して指摘しています。VLOOKUPのような一行で済む参照機能もありません。リレーションとロールアップでたどり着くことはできますが、設定の手間は5〜10倍かかります。

おすすめできるのは:メモ・タスク・軽いデータベースを一つのワークスペースにまとめたいナレッジワーカーや小規模チームです。関数の使い勝手を多少犠牲にしてでも、集約のメリットを取りたい人向けです。

おすすめできないのは:500行を超えるデータセット、ピボットテーブル、配列数式、一行で済むシート間参照が必要な人です。それはまだExcelやGoogle Sheetsの仕事であり、それで十分です。ビスケットの出番がなくなることはありません。

Formula powerEase of usePerformance at scalePricingCollaboration
  • Formula power 6/10 80以上の関数はあるが、VLOOKUPに相当する関数はない
  • Ease of use 7/10 Formulas 2.0の構文は覚えてしまえば読みやすい
  • Performance at scale 5/10 検証では約200〜300行を超えると体感できる遅延が発生
  • Pricing 7/10 無料プランは太っ腹だが、AIプレミアムは高め
  • Collaboration 9/10 リアルタイムの複数人編集はよく機能する
Sheetsとの比較を見る

よくある質問

NotionにVLOOKUPはありますか?
直接的にはありません。NotionにはExcelのVLOOKUPやXLOOKUPに相当する単一の関数は存在しません。別のデータベースからデータを取得するには、2つのデータベースをつなぐリレーションプロパティを作成し、そこから必要なフィールドを表示するロールアップを設定します。機能的には近いものの、1つの関数で済む作業がいくつかの設定手順に分かれます。
Notionは表計算の代わりになりますか?
数百行以内の小〜中規模な構造化データ(プロジェクトトラッカー、コンテンツカレンダー、簡易CRMなど)であれば十分です。ピボットテーブル、大規模データセット、複雑な財務モデルなどデータ量の多い用途では、依然としてExcelやGoogle Sheetsに軍配が上がります。検証でも、Notionのデータベースは数百行を超えると体感できるほど動作が重くなりました。
Notionは何個の関数をサポートしていますか?
Notion公式の関数構文ドキュメントによると、テキスト・数値・高度な数学・日付/時刻・リスト・リスト条件・ロジック・人物・ユーティリティの9カテゴリにまたがる80以上の関数が用意されています。
Notion AIは無料プランに含まれますか?
お試し利用のみです。AI議事録やNotion Agentを含むフルのAI機能を使うには、2026年8月時点で月額20ドルのBusinessプランが必要です。
2026年にNotionを使う価値はありますか?
ドキュメント・タスク・軽いデータベースを一つのワークスペースにまとめたく、AI機能とともに上がっていく1人あたり課金にも納得できるなら、価値はあります。本格的なデータ作業のために表計算ソフトを完全に置き換えたいなら、答えはノーです。ExcelやSheetsと組み合わせて使うのが現実的です。
G2とTrustpilotで評価がこれほど違うのはなぜですか?
G2(4.6/5)やCapterra(4.7/5)のレビュアーは、整理整頓・コラボレーション・柔軟性といった日々の製品利用を中心に評価しています。一方Trustpilotの2.3/5は請求や解約をめぐるトラブルに偏っており、レビュー数も425件と少なく、機能面のレビューよりサブスクリプションに関する不満が支配的な、性質の異なるサンプルです。
Notionは大規模なデータベースで遅くなりますか?
はい。検証では、600行の負荷テスト用データベースでスクロールとフィルタに明らかな遅延が見られました。42行や180行のデータベースにはこの問題は見られませんでした。CapterraやTrustRadiusのレビュアーも、独立して同じパフォーマンスの限界を報告しています。

更新履歴

  1. Notionの関数エンジン、データベースのパフォーマンス、料金体系を32日間かけて実際に検証したうえで初回公開。
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